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東京高等裁判所 平成9年(行ケ)317号 判決 1998年7月09日

東京都千代田区岩本町2丁目1番3号

原告

株式会社日本カプセルプロダクツ

代表者代表取締役

鷺谷昭二郎

東京都葛飾区立石7丁目9番10号

原告

株式会社 トミー

代表者代表取締役

富山幹太郎

上記両名訴訟代理人弁護士

大場正成

尾崎英男

嶋末和秀

同 弁理士

大塚明博

水野清

東京都千代田区霞が関3丁目4番3号

被告

特許庁長官 伊佐山建志

指定代理人

松野高尚

井上雅夫

小池隆

主文

特許庁が平成7年審判第5425号事件について平成9年9月29日にした審決を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第1  当事者の求めた裁判

1  原告ら

主文と同旨の判決

2  被告

「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決

第2  請求の原因

1  特許庁における手続の経緯

原告株式会社日本カプセルプロダクツは、昭和63年11月28日、名称を「磁気ディスプレーシステム」とする発明につき特許出願(昭和63年特許願第300346号)したが、平成7年1月17日拒絶査定を受けたので、同年3月14日査定不服の審判を請求し、平成7年審判第5425号事件として審理されることとなった。

原告株式会社トミーは、本願発明につき特許を受ける権利の一部を承継し、平成9年9月25日、その旨を特許庁長官に届け出た。

特許庁は、上記審判事件について、平成9年9月29日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をなし、その謄本は同年11月4日原告らに送達された。

2  本願請求項1に係る発明(以下「本願第1発明」という。)の要旨

少なくとも一枚が透明な二枚の非磁性体基板間に、油状液体中に分散した、光吸収性磁性粉と光反射性非磁性粉を封入したマイクロカプセル層を塗設してディスプレーとし、透明な基板側を表面とするディスプレーの表面または裏面の一方から局部的または全面的に磁場を印加することによって前記マイクロカプセル内の光吸収性磁性粉の複数粒子を磁気作用によって凝集させつつ、ディスプレーの面の磁場を印加した側に吸引移動させ、またその移動に対応して、その同じマイクロカプセル内の光反射性非磁性粉を磁場に印加したディスプレーの面の反対側に移動させて、ディスプレー面に光の吸収・反射のコントラストを与えて文字や像の形成及び消去を行う磁気ディスプレーシステム。

3  審決の理由の要点

(1)  本願第1発明の要旨は前項記載のとおりである。

(2)  これに対し、特開昭55-29880号公報(以下「引用例1」という。)には、「本発明は、・・・磁性体を直接シートに封じ込めるようにしたシートを用いることにより、シートに印字印画を記録したり、消去したりすることを可能とし、しかも直接肉眼で観察することができ、紙と同様に取扱いが簡単で必要に応じてハードコピーもとれる磁気シート及びその操作法を提供するものである。」(1頁右下欄8行ないし15行)、「使用状態で液状である物質と磁性体とを封入した小室を設けてなる磁気シート・・・前記磁気シートに磁気ドットによって、マトリックス状に印加するか又は印加されたものを磁気によって消去することを特徴とする。」(1頁右下欄16行ないし2頁左上欄2行)、「小室内においては磁性体が対流移動、磁力によりシート平面方向への移動を最小におさえることが出来る構造とした・・・小室は、例えば球状の場合は、直径が1~1000μ程度のものであり、・・・具体的には、例えばマイクロカプセルからなるか、又は合成樹脂シートに化学的にエッチングする方法によって格子状あるいは点状などの孔をあけて形成させたものである。」(2頁左上欄3行ないし15行)、「また封じ込める液体は使用状態で液体であるもの、例えば水、パラフィン油等の各種石油炭化水素系液体、シリコンオイル等があげられるが、磁性体を保持出来るものであればよい。」(2頁右上欄5行ないし9行)、「液体と共に封じ込める磁性体は、・・・不透明で濃淡変化により印刷されるタイプのものでは、特に形態は問題にならないが球形のものが好ましい。磁性体材料としては、フェライトが好適である。」(2頁右上欄14行ないし20行)、「場合により液体に顔料を添加して印字・印画のコントラストを向上させることもある。・・・このシートに印字もしくは印画するには磁気ドットを用いるが、マトリックス状で印加するとよく、又これらの消去は磁気を用いて行うことができる。」(2頁左下欄9行ないし15行)、「第4図の例は、磁力により磁性体粒3がマイクロカプセル1中で偏在することを利用した印刷方式を示している。この場合マイクロカプセル中の液体2は透明であるより、むしろ隠ぺい力の強い、場合によってはルチル等の白色顔料をサスペンドしている流体が好ましい。こうすれば印字のコントラストを向上させることが出来る。」(3頁左上欄9行ないし15行)なる記載がなされており、特開昭48-56393号公報(以下「引用例2」という。)には、油などの液体に二酸化チタン等の白色顔料を分散して白色に着色した分散媒中に黒色マグネタイト等の磁性粉を分散させた分散系を互いに向き合った、少なくとも一方が透明である例えばプラスチック等からなる基板間に封入した表示板において、予め一方の基板側に磁性粉を引きつける磁界を一様に作用させて、磁性粉をその基板の表面に吸着させておき、次いで、ペン先が磁石である磁性ペンで他方の基板の上から操作して、分散系中の磁性粉を上記他方の基板側に泳動させコントラストのよい表示が行え、表示した模様を消去するには、いずれかの基板の側から一様な磁界を作用させればよいことが記載されている。

(3)  本願第1発明と引用例1に記載された発明とを対比すると、本願第1発明の表現に従って表現すれば、両者は共に、油状液体中に分散した光吸収性磁性粉と光反射性非磁性粉を封入したマイクロカプセル層を表示層とした磁気ディスプレーシステムであって、ディスプレーの一方の面から局部的に磁場を印加することによってマイクロカプセル内の光吸収性磁性粉の複数粒子を磁気作用により凝集させつつ、ディスプレーの面の磁場を印加した側に吸引移動させ、またその移動に対応して、その同じマイクロカプセル内の光反射性非磁性粉を磁場に印加したディスプレーの面の反対側に移動させて、ディスプレー面に光の吸収・反射のコントラストを与えて文字や像の形成及び消去を行う点において一致しており、以下の点において相違している。

<1> 本願第1発明においては、マイクロカプセル層が、少なくとも一枚が透明な二枚の非磁性基板間に塗設されているのに対して、引用例1記載の発明においては、マイクロカプセル層が塗設されていない点(以下「相違点<1>」という。)

<2> 本願第1発明においては、ディスプレーの表面又は裏面の一方から局部的又は全面的に磁場を印加して文字や像の形成及び消去を行うものであるのに対して、引用例1には、ディスプレーの面の一方から磁力により磁性粉をマイクロカプセル内で偏在させることにより形成した文字や像の消去については明確に記載されていない点(以下「相違点<2>」という。)

(4)  上記相違点について、以下検討する。

<1> 相違点<1>について

引用例1記載の発明においては、マイクロカプセルをバインダーにより結束してシート状としているが、マイクロカプセルを基板に塗布してマイクロカプセル層を基板上に形成することは広く行われている慣用手段にすぎないのであるから、基板上に引用例1記載の発明におけるマイクロカプセルを塗布してマイクロカプセル層を形成するようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。そして、形成したマイクロカプセル層の表面に保護層を設けることは必要に応じて適宜実施し得ることにすぎない。

<2> 相違点<2>について

確かに、引用例1には形成された像の消去については、単に磁気を用いて行うことができると記載されているだけであるが、引用例2には、磁性粉を着色分散媒中に分散させた分散系を用いて磁力により像の形成及び消去を行うディスプレー装置において、ディスプレーの一方の基板側から局部的に磁力を印加して像を形成し、表示した像を消去するには、いずれかの基板側から一様に磁界を作用させて行うことが記載されているのであるから、このことを引用例1記載のマイクロカプセル層からなるディスプレーに適用して、ディスプレーを一方の面に全面的に磁場を印加することにより、形成した像の消去を行うことは当業者が容易に想到し得ることである。

(5)  したがって、本願第1発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

4  審決を取り消すべき事由

審決の理由の要点(1)ないし(3)は認める。同(4)、(5)は争う。

審決は、相違点<1>、<2>についての判断を誤って、本願第1発明の進歩性の判断を誤ったものであるから、違法として取り消されるべきである。

(1)  相違点<1>についての判断の誤り(取消事由1)

審決は、相違点<1>の判断に当たり、マイクロカプセルを基板に塗布してマイクロカプセル層を基板上に形成することは広く行われている慣用手段にすぎないのであるから、基板上に引用例1記載の発明におけるマイクロカプセルを塗布してマイクロカプセル層を形成するようにすることは当業者が容易に想到し得ることである、としている。

慣用手段とは、単にその手段が何らかの技術に関して知られているということではなく、特定の技術分野で同一目的のために通常又は数多く使われているような手段であるが、本願の出願前、磁気を利用して表記や印字を行うためにマイクロカプセルを基板上に塗布して成功した例はないし、まして「慣用」などされていない。

そして、引用例1の磁性体含有マイクロカプセルは、結着剤の中に埋め込まれた構成となっており、結着剤と多数のマイクロカプセルが一体となって一枚のシートを形成し、これが表示板も兼ねているから、このシートの表面上にさらに透明基板や保護層を設ける必要はないし、これらを設けることは全く無用の付加となる。このように、引用例1記載の発明では、そもそも基板が不用なのであるから、マイクロカプセルを基板に塗布する必要もなく、これと結び付けて考えるはずがないのである。

したがって、相違点<1>についての審決の判断は誤りである。

(2)  相違点<2>についての判断の誤り(取消事由2)

審決は、相違点<2>の判断に当たり、引用例2の手段を引用例1記載のマイクロカプセル層からなるディスプレーに適用して、ディスプレーの一方の面に全面的に磁場を印加することにより、形成した像の消去を行うことは当業者が容易に想到し得ることである、としている。

しかし、上記(1)のとおり、引用例1記載の発明では基板を必要としないのであるから、引用例2の手段を適用することなど想到することはないし、そのまま適用できるものでもない。

また、二つの引用例を結び付ける必然性はない。すなわち、引用例1記載の発明で印字を固定して記録する前にあり得べき消去を考慮に入れているのと、引用例2記載の発明で磁性体を利用して同じ頻度で書込みと消去を繰り返す用途では構成が違う。このため、引用例2記載の発明は二枚の基板で両面を挟み、表面からは書込み用のための磁力を、裏側からは消去のための磁力を作用させるようになっている。これに対し、引用例1記載の発明の場合、印字・記録を主体とし、消去は必要ならば磁気を作用させて消去できるという付加的な事項のため具体的な例示がない。両者は、構成も別異でそのまま適用できないものを何らの必然性も必要性もなく結び付けて考えることは極めて不自然で、到底容易に想到し得るとはいえない。

したがって、相違点<2>についての審決の判断は誤りである。

第3  請求の原因に対する認否及び反論

1  請求の原因1ないし3は認める。同4は争う。審決の判断は正当であって、原告主張の誤りはない。

2  反論

(1)  取消事由1について

<1> 特開昭60-107689号公報(甲第7号証)には、流動パラフィン中に分散した微小磁石粉を芯にもつマイクロカプセルを水性樹脂塗料に分散させ、基体としての紙の表面上に塗布して、磁石反転表示磁気パネルを作成することが記載されており、本願第1発明のような磁気を用いた表示装置においても、磁性体を内容物として有するマイクロカプセルを塗布することが本願出願当時においてよく知られていた手段であることは明らかである。

また、マイクロカプセルとは、高分子樹脂等で微小な内容物を被覆したものであって、内容物を保護、隔離するものであるところ、マイクロカプセルの中に封入されているものが磁性体である場合には、特別な手段を用いて塗布しなければならないというものでもない。そして、本願第1発明も内容物として磁性体を有するマイクロカプセルの塗布手段それ自体に関するものでもない。

<2> ところで、引用例1には、使用状態で液状である物質と磁性体を封入した小室を設けてなる磁気シートを用いて表示を行うことが記載されており、この小室内においては磁性体が対流移動、磁力によりシートの表面に平行な方向への移動を最小に抑えることができる構造としたもので、直径1~1000μm程度でマイクロカプセルからなることが記載されている。さらに、マイクロカプセル中で磁力により磁性体粒が偏在することを利用して表示を行うことができ、この場合にはマイクロカプセル中の流体にはルチル等の白色顔料をサスペンド、すなわち分散しているのが好ましいことも記載されているのであるから、本願第1発明におけるマイクロカプセルの利用の仕方との間に格別の差異はない。

<3> してみれば、このようなマイクロカプセルにより層状物を形成する場合において、引用例1記載のようにマイクロカプセルと基材構成材料とを混合して板状体を形成することに代えて、本願第1発明のようにマイクロカプセルと少量の結着剤を混合して基板に塗布するようにすることは当業者が容易に想到し得ることにすぎない。

(2)  取消事由2について

基板は、本願第1発明においても引用例2記載の発明においても共に非磁性体であって、基板の有無が形成された像の磁気的な消去に影響を与えるものでないことは明らかであるから、引用例2に記載される磁気により形成した像の消去手段を引用例1記載のマイクロカプセル層からなるディスプレーに適用することは当業者が容易に想到し得ることである。

第4  証拠

本件記録中の書証目録記載のとおりであって、書証の成立はいずれも当事者間に争いがない。

理由

1  請求の原因1(特許庁における手続の経緯)、2(本願第1発明の要旨)、3(審決の理由の要点)、及び、審決の理由の要点(2)(引用例1、引用例2の各記載事項)、(3)(本願第1発明と引用例1記載の発明との一致点及び相違点)については、当事者間に争いがない。

2  取消事由1について

(1)  審決が認定した相違点<1>は、前記のとおり、本願第1発明においては、マイクロカプセル層が二枚の基板の間に塗設されているのに対し、引用例1記載の発明においては、基板がなく、マイクロカプセル層はバインダーにより結束されて一体となったシートを形成しているという点である。そして、審決は、相違点<1>を判断するに当たり、「マイクロカプセルを基板に塗布してマイクロカプセル層を基板上に形成することは広く行われている慣用手段にすぎない」としている。しかし、本願第1発明の出願前、磁気を用いた表示装置において磁性体を内容物として有するマイクロカプセルを基板に塗布してマイクロカプセル層を基板上に形成すること、あるいは二枚の基板の間にマイクロカプセル層を塗設することが広く行われている慣用の手段であったことを認めるに足りる証拠はない。

もっとも、特開昭60-107689号公報(甲第7号証)には、流動パラフィン中に分散した微小磁石粉を芯にもつマイクロカプセルを水性樹脂塗料に分散させ、基体としての紙の表面上に塗布して、磁石反転表示磁気パネルを作成することが記載されているが(3頁左上欄16行ないし右上欄4行)、これをもってしても、磁気を用いた表示装置において磁性体を内容物として有するマイクロカプセルを基板に塗布することが慣用の手段であったとまでは認められない。

したがって、形成されたマイクロカプセル層の表面に保護層を設けること自体は必要に応じて適宜実施し得ることであるとしても、上記のとおり、磁性体を内容物として有するマイクロカプセルを基板に塗布することが慣用手段とは認め難い以上、相違点<1>に係る本願第1発明の構成は、マイクロカプセルとバインダーとが一体となったシートである引用例1記載の発明の構成に基づいて容易に想到し得るものとは認められない。

(2)  被告は、本願第1発明は内容物として磁性体を有するマイクロカプセルの塗布手段それ自体に関するものではなく、引用例1記載の発明と本願第1発明はマイクロカプセルの利用の仕方において格別の差異はないとして、マイクロカプセルにより層状物を形成する場合において、引用例1記載のようにマイクロカプセルと基材構成材料とを混合して板状体を形成することに代えて、本願第1発明のようにマイクロカプセルと少量の結着剤を混合して基板に塗布するようにすることは当業者が容易に想到し得ることにすぎない旨主張している。

しかしながら、本願第1発明は二枚の基板の間にマイクロカプセル層が塗設されている構成に特徴が存するのであって、マイクロカプセルの利用の仕方に引用例1記載の発明と本願第1発明とで格別の差異が存しないとしても、審決がその立論の前提とする、磁性体を内容物として有するマイクロカプセルを基板に塗布することが慣用手段とは認め難い以上、被告の上記主張は採用することができない。

(3)  上記のとおりであって、相違点<1>についての審決の判断は誤りであり、取消事由1は理由がある。

3  取消事由2について

(1)  引用例2に、磁性粉を着色分散媒中に分散させた分散系を用いて磁力により像の形成及び消去を行うディスプレー装置において、ディスプレーの一方の基板側から局部的に磁力を印加して像を形成し、表示した像を消去するには、いずれかの基板側から一様に磁界を作用させて行うことが記載されていることは、審決説示のとおりである。

しかしながら、審決摘示の引用例1の記載事項によれば、引用例1記載の発明においては、磁性粉を封入したマイクロカプセルをバインダーにより結束してシート状としているものであり、同じく引用例2の記載事項によれば、引用例2記載のものは、互いに向き合った、少なくとも一方が透明である、例えばプラスチック等からなる二枚の基板間に白色顔料、磁性粉を分散するものであると認められる。

上記のとおり、引用例1記載のものは、マイクロカプセルに磁性粉を封入し、これをバインダーにより結束してシート状としているのに対し、引用例2記載のものは、磁性粉を二枚の基板間に分散しているものであって、その構成を異にしているから、引用例2記載の上記消去手段を引用例1記載のものにそのまま適用することはできないものというべきである。

したがって、引用例2記載の上記消去手段を引用例1記載のマイクロカプセル層からなるディスプレーに適用して、ディスプレーの一方の面に全面的に磁場を印加することにより、形成した像の消去を行うことは当業者が容易に想到し得ることである、とした審決の判断は誤りというべきである。

(2)  被告は、基板の有無は形成された像の磁気的な消去に影響を与えるものでないとして、引用例2記載の消去手段を、引用例1記載のマイクロカプセル層からなるディスプレーに適用することは当業者が容易に想到し得ることである旨主張するが、引用例2記載の消去手段は二枚の基板を有することを前提とするものであるから、基板を有しない引用例1記載のものに適用することは容易に想到し得る事項であるとは認め難く、上記主張は採用することができない。

(3)  上記のとおりであって、相違点<2>についての審決の判断は誤りであり、取消事由2は理由がある。

4  よって、原告らの本訴請求は理由があるから認容することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。

(口頭弁論の終結の日 平成10年6月25日)

(裁判長裁判官 永井紀昭 裁判官 濵崎浩一 裁判官 市川正巳)

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